そもそもおかしくないか?
ある時ふと、不思議に思った。
日本は、世界でも有数の経済大国である。
それなのに、なぜ日本人は、それほど豊かさを感じていないのか。
周りの人にも聞いてみよう。
「あなたは自分が豊かだと思いますか?」
恐らく答えはノーだろう。
なぜか。
答えは「お金について知らないから」である。
私の母の話をしよう。
人生の後半で、彼女は借金に苦しんだ。
カードローン、キャッシング、リボ払い……。
グレーゾーン金利29.2%の時代である。
債務整理をして借金は返済したが、ずっとお金に苦しんでいた。
なぜか。
知識がなかったからだ。
彼女は京都大学卒。
教員免許2つと薬剤師免許を持ち、コミュ力は抜群。
性格は温厚。誰とでも仲良くなり、並みの男性より給料は高かった。
だが、お金の知識がなかった。
時代は高度成長時代。
給料は毎年上がった。
給料が上がると、生活水準を上げ、
また給料が上がると、さらに生活水準を上げた。
こうしてお金はいつもぎりぎり。
ボーナスは入った瞬間に、すべて消えた。
ボーナスありきの生活していたのだ。
4人の子育てにはお金がかかる。
ある時、少しお金が足りなくなってキャッシング。
次の月もキャッシング……。
それが地獄の始まりだ。
生活水準を下げればいいばずだが、
上げるのは簡単でも、下げるのは難しい。
毎月借りて、毎月返済。
その額は、だんだん膨らんでいった。
あるとき、リボ払いと表示された画面を見る。
「これ、何かしら」
「毎月返済額が一定なんて、いいわね!」
こうしてリボ地獄に突入。
働けど働けど、わが暮らし楽にならず。じっとATMを見る。
借金が400万に届くころ、
とうとう返しきれなくなり、債務整理を始めた。
毎月一定金額を必ず支払う代わりに、利息はそれ以上増えない。
彼女はそれをやり切った。
そして言った。
「借金がなくなって、本当にスッキリ!!」
やがて母はガンになる。
そこでもお金に苦しんだ。
借金はなくなったが、資産もなかった。
彼女の日記には、お金のない苦しみがつづられた。
そうして母は、亡くなった。
……母を思い出すと、僕は胸が痛くなる。
僕もまた当時、お金の知識がなく、借金をしていた。
今ならもっとアドバイスもできるし、助けることもできる。
でも当時は、助けることができなかった。
それにしても、
母はなぜ困窮してしまったのだろう。
理由は極めてシンプルだ。
「お金について、知識がなかったから」
「お金について、学ばなかったから」
学歴はあっても、お金の知識がなければ、
お金に苦しむ人生になる。
「お金のことは、考えなくていいのよ」
これが彼女の教えだった。
お金について学ばなかったから、お金に苦しんだ。
学歴はあっても、お金の知識がなければ、
お金に苦しむ人生になる。
逆にお金の知識があれば、学歴はなくても、
お金に困らない、豊かな人生になる。
だから、学ぼう。
お金について、ちゃんと取り組もう。
僕たち日本人は、誰でも豊かになれる。
豊かになれる国に生まれている。
「国ガチャ」には成功しているのだ。
小学校から高校・大学まで、僕たちは学校で勉強する。
だが、その時間割に、「幸福」も「恋愛」も「お金」もない。
人生において大切な’’科目’’は、すっぽりと抜け落ちているのだ。
だから、自分で学ぶのだ。
ちょっと考えてみてほしい。
もしも僕たちが、江戸時代の農民のように
文字の読み書きができないとか、
算数の足し算も掛け算もできないとかならば、
いったいどうなるか。
コンビニで釣り銭をだまされてもわからない。
スーパーで消費税をごまかされてもわからない。
文字も数字も読めない。
消費税の計算方法もわからない。
だまし放題である。
そんな人を見たら、思わず笑ってしまうかもしれない。
「消費税の計算方法もわからないんですか?」と……。
だが、ちょっと考えてみてほしい。
江戸幕府が、なぜ日本人の9割近い農民に勉強させなかったのか。
それは、「バカのほうが都合がいいから」だ。
同じことが、この現代でも起きている。
僕たちは、算数や文字の読み書きはできるようになったが、
お金について、ほとんど何も知らない。
「知らない」ということすら知らない。
具体例を挙げよう。
例えば……
①固定金利1.5%・35年フルローンで5,000万円の家を買うと、利息でいくら支払い、毎月何万円返済するのか、知らない。(利息1,430万、毎月15.3万)
②年利15%・リボ払い50万円を毎月1万円ずつ返済すると、返済まで何年かかるのか、知らない。(79か月、約6年半かかる)
③自分の税金・社会保険料がいくらで、どのように計算されているか、知らない。
①②はとても身近な例だ。
二次方程式や三角関数より、よほど身近な例だ。
それなのに、学校で習わない。
なぜだ。
数学の中で‘‘最も人生に関係する’’『金利』を僕たちは習わない。
なぜだ。
③は、もはやギャグ、あるいはホラーである。
買い物をしながら、消費税の計算方法を知らないのと同じだ。
コンビニで、江戸時代の農民のような人を見ても笑うことはできない。
そもそもおかしくないか?
働き手の9割がサラリーマンなのに、その多くが
「自分の支払う税金が、どのように計算されているのか知らない」なんて。
そもそもおかしくないか?
世界有数の経済大国である日本に生まれているのに、
豊かさを感じていないなんて。
ぼくたちは豊かになれる。
お金持ちになれる。
僕たちはもっと自由になれる。
これまで学んでこなかった。
だから今、お金で苦しんでいる。
じゃあ、学ぼう。
誰でも豊かになれる。
お金持ちになれる。
もっと自由になれるんだ。
コメント