リボ払い≒返済しても元金が減らない

たとえば、給料日まであと5日。
でも財布の中には数十円。
食費が1日1000円として5日だから、本当は5000円借りたい。
だけど、もう限度額いっぱいで、3000円しか借りられない。
だから、3000円を借りて何とか月末をやりくりする。
1日1000円食べたいところを必死に600円に抑えて5日間を過ごす。
そんなことを繰り返していました。
実は、「月末にちょっとお金が足りなくなって借りてしまう」
この3000円が決定的だったのです。
こちらの表を見てください。
「借金50万円、年利15%のリボ払いを毎月1万ずつ返済すればどうなるか」を計算したものです。

50万円の借金に対し1万円返済しても、
利子が6,250円で、3,750円しか元本は減っていないのです!!
この状態でまた3000円借りれば、
元の木阿弥、借金はまた50万近くに戻ります!!
ぼくはこれを延々とやっていただけなのです……。

これがリボ払いの恐怖です。
返しても返しても、元本に充当されない。

これに気づいたぼくは思いました。
「なんだこれは……。俺は、クレジット会社の養分にされているじゃないか……」
「このままでは、俺は一生、クレジット会社の奴隷ではないか……!!」

そう気づいたぼくは、直ちに生活を改め、借金返済に取り組んだ……
とはならなかったのです。
ここです。ここが借金の恐ろしいところっっっ
なんと、そのまま放置して、
今までと同じ生活をつづけたのですっっっっ!!!!
なぜっっ？
どうして……っっっ。
それは……

感覚がマヒしていたから。
「別に今すぐ死ぬわけじゃないし、もうちょっと今のままでも大丈夫でしょ。」
大丈夫じゃねーよっっっ!!!
目ェ覚ませぇぇぇっ!!!

あえてきつい言葉を使いますが、
借金は人を‘‘あほ’’にします。
「今と同じ生活を続けていたらヤバい」
そうわかっているのに、
「同じ生活を続けるほうが簡単だから、楽だから」
ただそれだけの理由で、
借金生活を続けてしまう。
問題の先送りをしてしまうのです。
今ある借金が、さらに大きな借金になるだけだというのに。

そして、これこそが借金の恐ろしさ。
リボ払いの恐ろしさ。
「感覚がマヒする」
借金していてヤバいと思う。
そのヤバいという感覚にマヒする。
借金しているというストレスに常にさらされる。
そのストレスにマヒする。
良くも悪くも人間は環境に順応する。
いや、マヒするのです。

ぼくは、感覚がマヒした状態で５年ほど過ごしました。
その結果どうなったか、もうお判りでしょう。
借金はさらに膨れました。
100万の奨学金と50万のリボ払いに加えて、
サラ金30万が増えて、総額180万になりました。
問題を先送りした結果、
見事に借金が増えたのです。

僕の自己肯定感は低くなり、
無力感が強くなっていきました。
もしかしたら、俺は一生
借金生活から抜け出せないかもしれない……。
そう思っていました。

それでもぼくはまだ、ヤバいとは思っていませんでした。
あの手紙が来るまでは……。